
AI検索エンジン機能「ChatGPT search」が2024年10月31日に正式実装されました。2024年10月3日にCanvasの機能が公開されたところなのに、AI検索エンジン機能の実装とは驚きです。
「ChatGPTにまた新機能?早すぎる…」
「結局どれが自分に合っているの?使いやすいのはどれ?」
「AI検索エンジンってGoogle検索とどこが違うの?」
こんな声聞こえてきそうです。今回も1週間みっちり触り倒してきましたので、使い方解説~活用方法とレビューをしていきます。
私個人としては「用途により使い分けていくのがベスト」という結論に至りました。
Google検索や他のAI検索にも特色はありますので、それぞれの良いとこ取りがいいですね。
ChatGPTの新機能「ChatGPT search」とは
今までのChatGPTでは、情報のリアルタイムではないことや引用元の情報を出してくれないなどの情報の信頼性の問題があり、検索ツールとしての使い方はできませんでした。
この度、AI検索エンジンとしての機能が追加されたことにより、これらの問題は解消されています。
生成された回答が実用的で内容も視覚的に見やすくなり、革新的なアップデートとして話題です。
新機能「ChatGPT search」を無料プランユーザーが使えるのはいつ?
11月現在、残念ながら無料プランユーザーは「ChatGPT search」を利用できません。
「ChatGPT search」が利用できるのは、「ChatGPT Plus」「ChatGPT Team」+SearchGPT ウェイトリストの登録者のみです。
2024年12月に無料プランユーザーにも「ChatGPT search」の機能が開放されました。こんなに早く解放されるとは驚きです。
SearchGPTはAI検索エンジン機能の追加する旨を情報開示をした時の呼び名で、ウェイトリストはその際にいち早く使いたいユーザーが申込できたリストのことを指しています。
無料プランユーザーへの実装は今後数ヵ月で予定しているとされています。
過去、有料と無料の機能開放の時間差はどのくらいだったのかをまとめてみました。
有料プラン | 無料プラン | 時間差 | |
GPT-4モデルへのアクセス | 2023年3月 | 2024年5月 | 14ヶ月 |
Webブラウジング機能 | 2023年9月 | 2023年11月 | 2ヶ月 |
画像生成機能DALL·E 3 | 2023年10月 | 2024年8月 | 10ヶ月 |
カスタムGPTの利用 | 2024年4月 | 2024年6月 | 2ヶ月 |
モデルのアップデートでは時間差は14ヶ月もありましたが、機能面のアップデートであれば2ヶ月で解放されたものもあります。過去の実績からみると2ヶ月~10ヶ月の間には開放される可能性が高そうですね。
2ヶ月もしないうちに無料プランにも実装されました。とにかく早かったですね。
新機能「ChatGPT search」の使い方
実際に「ChatGPT search」を起動させて使い心地を見てみましょう。


プロンプト入力欄に地球儀のようなWebマークが追加されています。こちらを押すと「ChatGPT search」が起動し使えるようになります。
モデルがGPT-4oの際にはWebマークは白く押せる状態なのですが、GPT-4o with canvasを選択しているとグレーになり押せない状態でした。

Canvasとの同時利用はできないのかChatGPTさんに聞いてみましたが、機能は独立しているもので併用できないようです。今後、統合されまとめて使えるようになることを願いましょう。
この「Webを検索」ボタンを押さずに質問しても、「ChatGPT search」を使ったような回答をしてくれるのですが、内部データベースや事前に学習した情報を活用して回答を生成している場合があります。
最新情報を得たい際には、「Webを検索」ボタンを忘れずに押してから指示や質問、検索ワードを入れるようにしましょう。

回答の表示も内容によってアイコンや表つきで提示され、視覚的にも見やすくなりました。
回答の下部にある「情報源」ボタンで右カラムが開き引用したページのリストも表示されるようになったのはかなり便利です。各引用元のメタディスクリプション(=サイトの冒頭や要約の表示)が一緒に見られるも良いですね。
「ChatGPT search」のChrome拡張機能は入れるべきか

「ChatGPT search」が利用できるようなったと同時にChrome WebストアにChatGPT search用の拡張機能が追加されました。この拡張機能については賛否両論があり、少し話題になっています。
この拡張機能を導入すると、Google Chromeを起動した際の画面からGoogleのロゴが完全に消えてしまいます。GmailやGoogleドライブのショートカットアイコンも消えます。
Googleのプラットフォーム上なのにロゴが消えるのは「対抗心ありすぎでは」と少し話題です。
確かにAI検索エンジンは従来の検索エンジンと対抗している一面はありますが、Chrome Webストアで出しているのにやりすぎ感を覚えますね。慣れだとは思いますが、私個人的には違和感がすごいです。
正直なところ使い心地としてはいまいちでした。
キーワードが曖昧なときに対話しつつ検索がすぐできるのは便利ではありますが、「他のサイトはどうだろう」と比較のために検索する機会は多々あると思います。その際は、拡張機能を無効化してキーワード入力検索としないといけないので余計な手間が発生します。
特に作業中にGoogle検索しようとして、うっかり拡張機能を有効化のままにしていたときはかなりストレスです。生成が始まりますので、待ちの時間が発生してしまうのは結構つらいですね。
私は結局のところ、ChatGPT searchの拡張機能は無効のまま、Google ChromeとChatGPTは別ウインドウか別タブで開いて使うことに落ち着きました。対話したり、すぐ要約が欲しいのならばそもそもChatGPTを開きますので、Google Chromeの持ち味はそのまま残すべきですね。
新機能「ChatGPT search」の特徴と活用シーン5選

「ChatGPT search」でリアルタイム検索ができるようになったとはいえ、どんなシーンでその特徴が活きてくるのでしょうか?まずは「ChatGPT search」の特徴をみてみましょう。
「ChatGPT search」の特徴
- リアルタイムの情報取得
ChatGPTに指示をすればその都度、Web上を閲覧し情報をまとめる。 - 視覚的な出力
検索結果に応じて、表形式やアイコン付きで出力される。 - 引用元の明確化
今までなかった引用元のURLが明示される。 - ChatGPTと対話しながらの検索
キーワードでの検索も可能だが、対話し意図を理解した上での検索ができる。 - モバイルアプリでも利用可
モバイルアプリ版でも「ChatGPT search」の機能は利用可能。 - ChatGPT内の他の機能を合わせて使うことができる。
ChatGPT searchで検索⇒検索結果で文章を作成⇒文章に合った画像を生成。というようにChatGPTの他の機能へ移行し使うことができる。
「ChatGPT search」の活用シーン5選
前項の「ChatGPT search」の特徴なポイントを踏まえて、実際に使っていく中でこの特徴が活きてくるシーンをまとめてみました。
- リサーチの効率化
ビジネスや商品の価格リサーチなど結果を要約。
検索時の参照元も表示されるので、その後のアクション(注文や問い合わせ等)もしやすい。 - 最新ニュースの閲覧
株価、仮想通貨価格、天気予報などのライブ情報もチャートや表として提示するので視覚的に見やすい。
モバイルアプリでも利用できるので、検索⇒チャット履歴に残る⇒同時にメモ化できる。 - 理解度に沿った学習や教育
初心者のような質問の場合は専門用語を減らしてくれるので、学習者の進捗段階に応じた解説が可能。 - ChatGPTと対話しながら検索
知りたい情報の検索キーワードがずれていても対話で検索意図を修正し再検索できる。
キーワードが曖昧だったり、物事の正式名称が思い浮かばなくても目的の検索結果まで到達しやすい。 - 各種機能を使ってのコンテンツ制作
検索&要約⇒投稿用に文章生成⇒画像生成の流れがChatGPTだけで可能。
使用ツールの煩雑さが軽減できる。
新機能「ChatGPT search」を「Google」「Perplexity」と比較してみた
「ChatGPT search」と「Google」、「Perplexity」それぞれの特徴を知ると得意なところ、苦手なところが見えてきます。表にまとめてみましたのでそれぞれを比べてみましょう。
ChatGPT search | Google Chrome | Perplexity | |
要約 | 自然言語で要約提示。 引用元も明示される。 | AI要約もあるが情報源へのリンク表示がメイン。 | 比較的短めで簡潔な要約。引用元の明示あり。 |
ローカル情報など | 特定地域に対する情報提供は限定的で弱い。 | 世界中のサイトをインデックス化。 特定の地域情報も強い。 | 特定地域に対する情報提供は限定的で弱い。 |
検索意図の理解 | AIが文脈を理解し、 意図をくみ取り回答。 | キーワードで検索し、 関連性の高い結果を表示。 | AIが文脈を理解し、 意図をくみ取り回答。 |
検索結果からの発展 | 対話形式で追加質問や深掘りが可能。 多数の機能により汎用性は高い。 | 「関連検索」「こちらも検索」で検索キーワードの提案は可能。 | 対話形式での追加質問や深掘りが可能。 マインドマップや画像の生成が可能。 |
広告・スパム | なし | あり | なし |
料金 | 無料プランで利用可能 (有料プラン=$20/月~) | 無料 | 無料利用可能だが制限あり。 Proプランは$20/月 (年払いの場合$200/年) |
これだけの内容でも各ツールの強い弱いが見えてきましたね。
ツールで完結したいなら最有力。
資料や文章などは「検索⇒各種機能を使いつつ生成」で作業時間の時短が見込めるでしょう。
今までの実績からなる情報量の豊富さが最大の売りです。
ゼロからの考案のための大量に参考が欲しい時、材料集めや多くの視点からの意見やレビューなどが見れる点は唯一無二と言えるでしょう。
ChatGPT search、Perplexity両方に言えることですが、参照する情報源数には限りがあります。
時間はかかりますが、従来の検索エンジンは情報源は見れば見るほど増えますので、限りが無いことも強みです。
簡潔な要約の生成という点から最初の道筋立てや仮案の作成におすすめのツールです。
独自の展開としてマインドマップが生成できることから、「AI×人間」の部分にしっかり着目しているのだと個人的には感じてます。
また、制限はあるものの無料でAI検索エンジンが使える点はかなり魅力的です。
2024年11月現在、Perplexityはソフトバンク系列の携帯キャリアと連携して1年間Proプランを無料で使用できるキャンペーンも存在していますので、興味のある方はMNP検討されても良いかもしれません。
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ChatGPT searchの実装でハルシネーション問題はどうなったか
別記事でも少し取り上げている文章生成系AIの欠点である事実でないことを回答してしまうハルシネーション問題ですが、「ChatGPT search」の導入によりどうなったのでしょうか?
間違った情報の生成される問題であるハルシネーションは依然として発生します。
事実、OpenAIのブログ記事に掲載された「ChatGPT search」のデモ動画にハルシネーションがあったことが著名な報道機関に指摘されていました。
「ChatGPT search」の実装によってリアルタイムにWebを閲覧し、回答の生成ができるようになりました。
予め学習していた古い情報から無理矢理に回答作り上げることは無くなりますので、ハルシネーションの発生はしにくくなっています。
また、引用元サイトの明示がされるので、ユーザーがファクトチェック(事実確認)をする導線が確保されたことでハルシネーション対策は依然と比べるとかなりスムーズに行えるでしょう。
しかし残念ながら、他のAI検索エンジン「Perplexity」や「Genspark」の方がハルシネーション対策に優れているとされています。
「Perplexity」はリアルタイムで情報を集積、複数の情報の統合、集積した情報源だけを参照して生成するなどの機能が備わっており、そもそもハルシネーションが起こりにくい仕組みです。
「Genspark」はPerplexityと同様にリアルタイムのWeb閲覧、引用元の明示が可能です。仕組みとしては、複数のAIによって情報を収集・処理することで単一AIによる誤情報の生成を抑えています。
Gensparkには「ファクトチェック機能」が搭載されていることも注目ポイントですね。
これからの「ググる」を考える

「ググる」という言葉にもなったGoogleの検索エンジンだけでなく、AI検索エンジンも台頭してきています。AIのリードカンパニーであるOpenAIも参入したとあっては、「検索+AI」の潮流もより多様化してくることでしょう。
従来の検索エンジン、AI検索エンジンもそれぞれ得意・不得意があります。目的に応じて、使い分けるのが今のベストなのかなと私自身は感じています。超画期的なAI検索が出てくるまでは一本化できないかなというのが正直なところです。
「検索⇒結論でない⇒考える⇒検索⇒…」としているのも楽しかったり、考えまとめる時間だったりするので、検索で試行錯誤する時間も貴重かなとAI検索エンジンを使ってて実感しました。
とはいえ時短もすごく大事なのでバランスです。
それぞれの特徴とできることが自分のしたいこととマッチしているのかどうかを念頭においてAIツールを楽しみましょう。
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